日本株と米国株を徹底比較

公開日:2025/12/15  

日本株 米国株

投資の勉強を始めた際に気になる点として「日本株と米国株どっちがいいの?」といった疑問があります。本記事では、日本株・米国株双方の基礎知識を解説するとともに、それぞれの特徴についても詳しく紹介します。株式投資先で悩んでいる人は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。

日本株・米国株の基礎知識

株式投資を始める際、多くの投資家が悩むのが「日本株と米国株のどちらに投資すべきか」という点です。それぞれの市場には特徴やメリット・デメリットがあり、基本的な違いを理解しておくことが重要です。

市場構成

まず、市場構成の面では、日本株式市場は「東証プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に分かれており、企業の規模や成長段階に応じて上場区分が設けられています。一方、米国株式市場は主に「NYSE(ニューヨーク証券取引所)」と「NASDAQ(ナスダック)」の2つで構成されており、特にナスダックにはテクノロジー関連企業が多く集まっています。

投資家層にも違いがあり、日本は個人投資家が多いのに対し、米国は機関投資家が中心です。また、通貨の面では日本株が円建て、米国株がドル建てで取引される点も大きな違いといえます。

市場規模

市場規模で比較すると、米国市場は圧倒的に大きく、2025年6月時点で時価総額は約7,500兆円に達し、日本の約705兆円を大きく上回っています。

米国市場は世界最大規模を誇り、情報開示の透明性が高く、世界中の投資資金が集まる傾向にあります。

日本株・米国株それぞれの特徴

株式投資を行う際、「日本株と米国株のどちらに投資すべきか」は多くの投資家が悩むテーマです。それぞれの市場には異なる特徴があり、メリット・デメリットを理解したうえで自分の投資スタイルに合った選択をすることが重要です。

日本株の特徴

日本株の主な強みは「情報収集のしやすさ」「為替リスクがないこと」「株主優待制度の充実」「比較的高い配当利回り」の4点です。日本企業の決算情報やIR資料はすべて日本語で入手でき、国内メディアでも市場動向が豊富に報じられるため、初心者でも理解しやすいのが魅力です。

また、取引通貨が日本円のため、円高・円安による為替変動の影響を受けずに投資できます。さらに、日本では株主優待制度が発達しており、自社製品やクオカードなどがもらえる点も人気です。

加えて、平均配当利回りは日経平均で約2.2%と、米国株の主要指数よりも高い傾向があります。

米国株の特徴

一方、米国株の強みは「企業規模の大きさ」「成長率の高さ」「世界の投資マネーが集まりやすい市場構造」「将来性の高さ」「配当頻度の多さ」にあります。米国市場にはマイクロソフトやアップル、エヌビディアなど、時価総額数百兆円規模のグローバル企業が上場しており、日本のトップ企業と比較しても規模の差は圧倒的です。

過去30年の株価推移を見ても、ダウ平均株価は約15倍、S&P500は約16倍に成長しており、日経平均のわずか1倍強にとどまる日本株を大きく上回ります。また、米国は人口増加率・GDP成長率ともに日本を上回り、今後も経済成長が見込まれる国です。

加えて、米国株は年4回の配当支払いを行う企業が多く、定期的なキャッシュフローを得やすい点も魅力です。

日本株と米国株における割安・割高について

株式投資において「割安・割高」という評価は、企業の本来の価値に対して現在の株価が適正かどうかを判断する重要な基準です。企業の業績や将来性が高いにもかかわらず株価が低ければ「割安」、逆に企業価値に比べて株価が高すぎれば「割高」とされます。

代表的な判断指標としては「PER(株価収益率)」と「PBR(株価純資産倍率)」が用いられます。PERは株価を1株当たりの利益で割ったものです。一般的に15倍が目安とされ、それを上回ると割高、下回ると割安と判断されます。

一方、PBRは株価を1株当たりの純資産で割る指標であり、1倍を下回る場合は市場から過小評価されているとみなされます。こうした指標を踏まえると、日本株は世界的に見て割安、米国株は割高とされることが多いです。

しかし、米国株は割高でも投資家から高い人気を集めています。その背景には、世界を牽引する成長企業の多さや、自社株買いによる株主還元の積極姿勢、取引の活発さ、そして米ドル建て資産としての信頼性などが挙げられます。成長性と流動性の高さが投資家を惹きつける要因となり、結果として高い株価水準でも資金が流入し続けているのです。

一方、日本株は割安であっても買われにくい傾向があります。その理由には、日本企業の成長性の低さや内部留保の多さによる株主還元の不足、経営の透明性の低さ、海外投資家による資金流入の不安定さがあります。国全体としても経済成長が鈍化しているため、海外からの評価が上がりにくい状況です。

株価上昇のためには国内投資家だけでなく海外投資家の支持も不可欠ですが、現状ではその期待に応えられていないといえます。

まとめ

日本株と米国株は、それぞれに明確な特徴と魅力を持つ投資先です。日本株は情報収集のしやすさや為替リスクの少なさ、株主優待制度の充実、高い配当利回りが強みで、初心者にも始めやすい市場です。一方、米国株は世界をリードする巨大企業が集まり、高い成長率と透明性のある市場構造が魅力です。割高とされながらも将来性と安定した資金流入により人気を維持しています。対して日本株は割安水準でも成長性や株主還元姿勢が評価されにくい傾向があります。どちらの市場にもメリットとリスクがあり、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて選ぶことが、長期的な資産形成への第一歩となるでしょう。

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